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格闘家 / 指導者 インタビュー

空手家【全日本空手道連盟 糸東会】代表 岩田 源三(いわた げんぞう)さん


  

今回のゲスト【全日本空手道連盟 糸東会 岩田塾 会長】岩田源三(いわた げんぞう)さん

 

日本の空手4大流派のひとつである糸東流。

 

戦後、沖縄の空手家摩文仁賢和によって開かれた流派です。

 

2020年東京オリンピックで初めて追加された競技として、空手女子形銀メダリストに輝いた清水希容選手の「形(かた)」で大きな注目が集まりました。

 

会長岩田源三さんは1958年に埼玉県入間市で生まれ。

 

幼い頃から父であり糸東会 岩田塾 創設者であった岩田万蔵氏の元で稽古に励みました。

 

2017年に全日本空手道連盟糸東会会長に就任。

 

現在は指導者としていくつもの海外を渡り、自身の岩田塾では幼児から大人までが通う道場を開いています。

 

そんな世界に糸東流の技術と精神を広める岩田源三さんにインタビューをしました。

 

―― 空手をはじめたきっかけについて

 

生まれた頃から父が自宅の道場で内弟子に空手の指導をしていて、今のように子どもの習い事で通うような道場ではなく、当時は大人中心の環境でした。

 

内弟子達はその後海外に派遣され指導者として活躍しそのまま移住する人もいたほどです。

 

私は小学校4年生で空手を嫌々始めましたが、中学の終わり頃から再開し高校生で本格的に打ち込むようになりました。

 

その頃から将来は父の元で育てられた内弟子たちのように海外へ指導者になろうかと漠然と思っていました。

 

―― 空手の魅力、人生の役に立ったこと

 

糸東流とはシンプルな技で無駄のない動きを理想とする空手です。

 

自分の人生もシンプルでありたいと思うので生き方に通じるものがあります。

 

―― うまくいかなかった時の乗り越え方、対処法を教えてください

 

練習するしかありませんが、私も身につかなかった時期がありましたね。

 

続けているとある時、突然「できた!」と体感する日があります。

 

そこからスムーズに空手と向き合えるようになり、高校生で試合にも勝てるようになって楽しくなっていきました。

 

―― 空手に向いているタイプ、特徴を教えてください

 

技を身につけるための探究心、根気強い人が向いていると思います。

 

糸東流は私が知る限りでも60個以上技がありますので、覚えることがたくさんあります。

 

初段を取るまでに時間がかかりますが、取ったら終わりではなく、さらに上を目指し二段、三段と続くので地道に長く続けてもらえたらと思います。

 

―― 空手を辞めたいと思ったことはありますか

 

子どもの頃に辞めたいと思って一時離れていましたが、大人になってからは父が他の道場で「岩田先生、指導をお願いします!」と頼まれると父は「おまえが行ってこい」と私を送り出すことがありました。

 

「私ではなく、父に来てもらいたいと言われているのに…」と思いましたが今思えば指導者として足らない自分を自覚するために行かされたのだと思います。

 

指導に行った先で相手の道場が余所の流派ですと色々と質問をされ、それに対して私が的確に答えられないこともありました。

 

20代の頃は指導者としてはこれではいけないと空手を一から勉強し直しましたね。

 

―― 指導者として気をつけていること、大切に思うことを教えてください

 

常に初心者でも指導者でもわかり易い指導をしたいと考え、相手に理解してもらえるよう理論的に話します。岩田塾では子どももたくさん通っていますが、辞めてからも将来糸東流の空手を習ったことが人生の役に立つことを心から願います。

 

―― これから空手を始める人へメッセージをお願いします

 

一般的に見ると空手は少し敷居が高いと思われがちかもしれません。ですが、勇気を出して一歩を踏み出して体験してもらいたいです。続けていれば自分に自信が持てるようになるかと思います。

 

―― 休みの日は何をされていますか

 

空手はインドアですがアウトドアも好きで、登山によく行き夏は北アルプスを登ります。

 

―― 音楽、好きなアーティストはいますか

 

静かなジャズが好きです。

 

―― 好きな本や漫画はありますか

 

指導で海外に渡る際に飛行機の中でよく読書をします。

 

特に好んで読むのが浅田次郎や吉村昭、武道に関する本、漫画はK(アクションコミックス)です。

 

―― 憧れのアスリートや尊敬する人はいますか

 

糸東流を広めた摩文仁賢和先生と、父親の岩田万蔵です。

 

摩文仁先生はお会いしたことはありませんが戦後、間もない頃から自己犠牲を払って生活を顧みないで内弟子達に指導を行い、とても温厚な先生だったと聞いています。

 

空手の全ての技術と精神を融合させたものが糸東流で父も摩文仁先生の指導の元で技術を学び、糸東流を関東で広めた指導者の1人になりました。

 

父は1人の男として尊敬の念を抱いていますし人間として魅力がありました。

 

父の周りにはたくさんの内弟子がいまして、海外からも修行に来たいと申し出があり、遥々日本に来て父を訪ねてくる外国の方もいましたから、とても力があり慕われていたと思います。

 

―― 座右の銘、モットーはありますか

 

父が全日本空手道連盟の会長に就任し、平成5年に亡くなりました。

 

その際内弟子の方々が私のことを今までは「源三さん」と呼んでいましたが、その日を境に「岩田先生」と呼ばれるようになったのです。

 

皆様は大先輩なわけですが、私を立てて下さいました。

 

皆さまの思いを受け取り至らないながらも、いつも人を惹きつける魅力があった父岩田万蔵の後を継いで行こうと決意し、今は私は会長を務めております。

 

父の受け売りではありますが「初心生涯」を忘れず進んでいこうと思います。

 

―― 今後の目標はありますか

 

これからも次の世代へ糸東流の技術を伝える使命を担っていると自覚しパイプ役になれればと思います。

 

オリンピックの種目に選ばれ注目を浴びたのは良かったことですが、競技に偏りルール変更が行われ本来の摩文仁先生の教えに基づいた糸東流が少し変わってきてしまっていることが気がかりです。

 

もちろん選手は世界の様々な大会で活躍したいでしょうが、観客目線の空手ではなく糸東流本来の技術を残していかねばと強く思います。

 


  
岩田さん、この度はお忙しい中ご協力いただき本当にありがとうございました!

 

―― おわりに

 

岩田さんが代表を務める 全日本空手道連盟 糸東会 岩田塾 は、埼玉県入間市の茶畑に囲まれた環境の良い場所にあります。

 

世界支部代表の岩田さんに直接指導いただける貴重な体験が得られますので、お近くにお住まいの方、お子様に習わせて見たい方、ぜひ足を運んでみてくださいね!

 

一般社団法人 全日本空手道連盟糸東会オフィシャルページ:https://www.karatedo.co.jp/shitokai/

 

 

 

<インタビュー&記事執筆:飯塚 まりな>

ライター・イラストレーター
インタビューを中心に活動中。
Web、フリーペーパー、書籍を執筆。
ほんわかしたイラストを描く。

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