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格闘家 / 指導者 インタビュー

相撲【入間少年相撲クラブ】総監督 西澤正夫さんインタビュー

 

今回のゲスト 入間少年相撲クラブ 総監督 西澤正夫さん

 

埼玉県入間市にある入間少年相撲クラブは、あの大相撲の北勝富士関らを輩出している名門です。

 

入間少年相撲クラブ公式サイト:http://www.iruma-jr-sumo.com/

 

そんな由緒ある相撲クラブの総監督を務める西澤正夫さん(以下、西澤さん)。

 

西澤さん自身、かつて相撲部の世界で鍛え上げてきましたが、今はその技術と強い精神力を多くの教え子たちへ伝承し、未来の大力士の育成に励まれています。

 

今回は、相撲という競技を通じて、努力の大切さや感謝の気持ちを子供達へ伝える西澤さんに、相撲の魅力をお伺いさせていただきました。

 

これから相撲を始めたい人、お子様に習わせたい親御様に向けた有益なアドバイスもありますので、ぜひ最後までお楽しみください。

 

 

―― 西澤さんが相撲部に入ったきっかけについてお伺いさせていただけますか?

 

相撲を始めたのは中学3年生でした。

 

小学校の親友が明大中野中学へ受験をすると聞き「俺も一緒に行く!」と入学しましたね。

 

最初は野球部に入部したのですが身体を壊してしまいます。

 

この時すでに身長172センチ、体格も良かった私は、体力を持て余していました。

 

ただ、明大中野中学はスポーツに力を入れている学校で、なんと体育の授業にも相撲があったのです。

 

そんな体育の授業で相撲をしている私を見て、相撲部の監督が「うちに入らないか」と声をかけてくださったのがきっかけでした。

 

中学3年生から相撲人生が始まり、その後、高・大学まで相撲一筋の日々を送りました。

 

 

―― 稽古がきつい、辛いと思った事はありませんでしたか?

 

怪我をしたときですね。

 

怪我をすると挫折を味わいます。

 

稽古に出れず、大会も出られないので、ひたすら一人で悶々と過ごす辛い時間に耐えなければなりません。

 

同時に人間関係や先輩との上下関係でも辛いと思うこともありましたね。

 

それでも持ちこたえられたのは仲間の励ましと見守り続けてくれた家族の支え、周りの人達のおかげです。

 

―― 相撲を始めて良かったこと、人生で役に立ったと感じることはありましたか?

 

高校2年生の時に全国決勝まで勝ち進むことができたことです。

 

その時に強く実感したことは「地道に努力を続け辛抱すれば必ず報われる」ということでした。

 

それまで、ただ辛い稽古にも耐えひたすら練習をしてきましたが、勝った喜びを味わった時に、妙に納得しましたね。

 

その時の出来事が今大人になった自分の指針になっています。

 

 

―― どんな性格やタイプの方が相撲に向いていますか?

 

とにかく負けず嫌い!

 

勝つことへの執着が強いことが大事です。

 

―― 監督として指導者になってからの相撲人生はどんなものでしたか?

 

大学を卒業し、社会人になり入間青年会議所に入りました。

 

1998年に入間市は市政施行30周年、青年会議所創立20周年の記念主催で入間市に大相撲入間場所が開催されました。

 

相撲部時代に一緒に過ごしてきた仲間には相撲取りも多く、彼らの協力により実現したのです。

 

入間市を「相撲の街」にしようと市民体育館敷地内に土俵を作り、入間少年相撲クラブを立ち上げ、今日まで小学生〜高校生の子供たちに指導をしています。

 

―― 日頃どんな指導をされていらっしゃいますか?

 

まず入部する前にお子さんに体験をしてもらい、親御さんとよくお話させて頂きます。必ず言うことは

 

僕を信じて下さい

 

です。稽古が始まると厳しい事を言ったり、時には不条理に感じる場面も出てくると思います。

 

でも決して子ども達の気持ちを無視して粗末にしているわけではなく、ついて来る子は最後まで面倒を見ると断言しています。

 

お子さんが辞めたいと言った時が相撲の本当の始まりです。

 

 

でも時にはぐっとこらえ優しく背中を押して「もう少し頑張れ」と送りだしてほしいとお願いしています。

 

それでも現実はすぐに辞めていく子も多く、難しいですね。

 

子ども達には稽古中は一方的な指導はしません。

 

まず、「自分がどうしたいのか」と聞いてみます。

 

そこから「それにはこうしなければ上手くなれないぞ」と、次の取り組み方を教えています。

 

1を10にしろと言っているわけではありません。

 

1を2にする努力を学んで欲しいと考えています。

 

子ども達が将来、社会に出た時「入間で相撲をしてきてよかった!」と感じてくれることを願います。

 

―― 入間少年相撲クラブを始めてから一番嬉しかったことは何ですか?

 

平成26年に塚原(春日野部屋 東幕下十二枚目)が全国中学校相撲選手大会で団体も個人戦も優勝しました。

 

素晴らしい成績を収めた嬉しさはもちろんですが、何より嬉しかったのは大会での選手の態度が良かったと褒められたことです。「入間の子は立派だ!」と賞賛されました。

 

土俵に立つ際の礼儀作法、優勝が決まった瞬間も彼は冷静に静かな態度でした。

 

それは最後まで一生懸命闘い続けて負けてしまった相手への思いやりと配慮を忘れなかったからです。

 

相撲に勝つことよりも心の成長を重視しています。

 

自分でも言うのもなんですが入間少年相撲クラブは見事なもんだと思いました!

 

 

―― これから相撲をはじめる青年達へメッセージをお願いします。

 

相撲は人づくりの場です。

 

マイナーなスポーツですが、相撲は人生に似ていて勝って負けてという部分では同じ。

 

土俵の中に人生がある

 

と思うのです。

 

僕の哲学ですが、失敗をして成長するわけではなく、成功することが自分自身を成長させていると思います。

 

失敗は成長するための糧を得るだけですから、土俵でたくさん成功体験を積み重ねてください!

 

ここ数年前から女子部員も入り、男子に負けない強さとやる気があります。

 

男子もより刺激を受けていることでしょう。

 

ぜひ相撲の世界へ!

 

入部を心よりお待ちしております。

 

 

―― お休みの日は何をされていますか?

 

何も予定がない日はなく相撲の道場に来ているか、年に数回海に出かけジェットスキーを楽しみます。

 

―― 好きな音楽、アーティストはいますか?

 

よく聞くのは昔のR&Bです。スーパーフライの歌声も好きですね。

 

―― 好きな本や漫画はありますか?

 

結婚する際に妻から司馬遼太郎を勧められ「功名が辻」を読み、そこから歴史小説を読むようになりました。

 

―― 憧れのアスリートや尊敬している人がいたら教えていただけますか?

 

明大中野相撲部の監督、武井美男先生です。

 

亡くなられてしまいましたが相撲を通して人に対する態度や思いやりを教わりました。

 

いつも「3年先の稽古をしなさい」と言われ続け、学生時代に脳に刷り込み身体が覚えました。

 

努力というものは今日明日で結果が出るものではない

 

この武井先生の叱咤激励が心に深く残っています。

 

 

―― 今後の目標や夢はありますか?

 

僕の相撲での目標は子ども達が叶えてくれました。僕を育ててくれたのも子ども達です。

 

彼らの結婚式に出るのが何よりの夢ですね。

 

指導している間だけの関係性ではなく、巣立った後も彼らを見守り長い付き合いをしていきたいと思っています。

 

結婚した力士もいるのですけど、コロナで残念ながら式に参加できていません。

 

これからの子達の結婚に期待しています!

 

 

西澤さん、この度はお忙しい中お時間・ご協力いただき本当にありがとうございました!

 

 

入間少年相撲クラブは、日々の稽古や競技会への出場しています。

 

その他、様々なレクリエーションも年間を通して行っています。

 

相撲に興味のある子、お子様に習わせてみたい親御様、ぜひ足を運んでみてくださいね!

 

入間少年相撲クラブ公式サイト:http://www.iruma-jr-sumo.com/

 

 

<インタビュー&記事執筆:飯塚 まりな>

 
ライター・イラストレーター
インタビューを中心に活動中。
Web、フリーペーパー、書籍を執筆。
ほんわかしたイラストを描く。

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